監査法人

四大監査法人の決算比較

先週の火曜日にあらた監査法人が決算を公表したことで、四大監査法人の決算が出揃いました。

トーマツは、当期からグループ会社との決算期の統一を図るため、従来9月末を決算日としておりましたが、5月末に変更になったため、会計期間が8ヶ月間となっております。そのため、他の法人と比較する際は、三分の二程小さくなっていると解すべきことになります。

◆業務収入

まずは、前期と当期の業務収入を比較してみます。

単位:百万円

  新日本 トーマツ あずさ あらた
前期 106,482 96,478 89,895 37,032
当期 100,036 70,977 95,952 42,321

新日本は、東芝事件でクライアントが流出したことで、監査証明業務の売上が4,463百万円(85,024→80,561)減少しました。非監査証明業務の売上についても、1,983百万円(21,457→19,474)減少しました。全体として、64億円減少しましたが、1,000億円は維持できたようです。

トーマツは、一見すると減少しておりますが、上記でも述べたように決算期の変更によるものです。単純に当期の売上を1.5倍した金額は106,466百万円となり、新日本を抜きますね。業界1位になるのはトーマツでしょうか。

あずさは、大幅に売上が増加しました。監査証明業務の売上は、2,285百万円(69,875→72,160)増加しました。非監査証明業務の売上についても、3,772百万円(20,020→23,792)増加しました。こちらは、非監査証明業務が好調だったようです。

あらたは、当期から決算書を公表することになり、全体像が明らかになりました。東芝を新日本から引き続いたことやその他も何社か獲得したことで、売上は増加しています。監査証明業務の売上が4,154百万円(17,499→21,653)増加しました。新日本からクライアントを獲得したためか、新日本の監査証明業務の売上の減少と、あらたの監査証明業務の売上の増加がほぼ同じなのは面白いですね。非監査証明業務については増加だったものの、こちらは微増だったようです(19,532→20,668)。

 

業務収入は、トーマツ>新日本>あずさ>あらた の順番でしたが、来年はもしかしたら新日本とあずさが入れ替わるかもしれません。

 

◆営業利益

次に、営業利益及び営業利益率について分析したいと思います。

  新日本 トーマツ あずさ あらた
営業利益 2,227 1,709 4,785 1,176
営業利益率 2.2% 2.4% 5.0% 2.8%

 

営業利益率は、あずさ>あらた>トーマツ>新日本の順番です。

あずさの営業利益及び利益率の高さが目立ちます。

採算が良いクライアントが多く存在するからでしょうか。悪く言えば、サービス残業が多いともいえますが、実態は不明です。

新日本が営業利益率がもっとも悪いですが、よく言えば、人件費等に多く割いている証でもあります。

そのため、監査法人の職員にとっては、営業利益率が高い=良いとは、純粋にはいえないかもしれません。

 

◆クライアント数

次にクライアント数を比較してみます。

新日本、あずさ、あらたは、2017年6月末が基準ですが、トーマツにおいては、2017年5月末が基準となります。

  新日本 トーマツ あずさ あらた
金商法・会社法監査 977 948 756 136
金商法監査 59 14 43 52
会社法監査 1,328 1,096 1,372 459
学校法人監査 106 84 51 2
労働組合監査 16 59 18 0
その他の法定監査 601 439 513 148
その他の任意監査 808 759 728 331
合計 3,895 3,399 3,481 1,128

クライアント数においては、新日本>あずさ>トーマツ>あらた の順番でした。

東芝事件があっても、クライアント数においては業界No.1を維持しています。

◆人数構成

最後に、人数構成を見てます。

  新日本 トーマツ あずさ あらた
社員 556 578 614 130
公認会計士 2,679 2,662 2,613 866
試験合格者 1,077 1,245 1,235 479
監査補助職員 891 1,620 860 805
事務職員 1,062 555 639 497
 合計 6,265 6,660 5,961 2,777

 

トーマツは、総人員が6,660人で、監査補助職員が1,620人と他法人よりも突出しておりますが、アドバイザリー事業本部の職員も含めているためです。あずさは、決算書上、監査補助職員と事務職員が公表されておりませんでしたので、正確な数字を把握できないのですが、公式HPで公表されている2017年3月末の数字を元に算出いたしました。

この数字を元に全職員に対する比率を下記の表で求めました。

  新日本 トーマツ あずさ あらた
社員 8.9% 8.7% 10.3% 4.7%
公認会計士 42.8% 40.0% 43.8% 31.2%
試験合格者 17.2% 18.7% 20.7% 17.2%
監査補助職員 14.2% 24.3% 14.4% 29.0%
事務職員 17.0% 8.3% 10.7% 17.9%
  100.0% 100.0% 100.0% 100.0%

 

あずさの社員比率が唯一10%を超えています。一方、あらたの社員比率はかなり低いです。

新日本とトーマツは、殆ど同じです。新日本は、前期よりも社員を大幅に削減したか、定年退職で減少したためか、71人も減少しています(627→556)。

あらたは、監査補助職員の比率が多いのが気になります。全体の30%ということは、殆どの監査現場でアシスタント職が活用されているかもしれません。また、トーマツも多いですが、アドバイザリー事業部の方を含めているため、多くなっているんだと思います。

トーマツの事務職員比率が結構低いですね。人員数は、新日本の半分ほどです。どちらが適正人数かはわかりませんが。

 

単純な比較となってしまいますが、総人員数においては、トーマツ>新日本>あずさ>あらた の順番でした。

 

◆その他

その他、気になった点として、トーマツ以外の法人で特別損失が目立った点です。

新日本は、構造改革費用として、1,051百万円の特別損失を計上しています。東京事務所の移転に伴い発生した費用のようです。

あずさは、事務所移転関連損失として、738百万円の特別損失です。内訳は、解約違約金461百万円、事務所移転関連損失引当金繰入として、277百万円となっています。

あらたは、事務所移転費用として、339百万円の特別損失です。こちらは大手町オフィスに移転した費用でしょうか。

いずれの法人においても、事務所の移転費用が進んだ、もしくはこれから進むようです。

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

PAGE TOP